LONGMORN
 

久しぶりに
バーのカウンターで
ひとりで
グラスを傾ける

君と語った夢を
忘れそうになった時は
他の誰かといるより
ひとりでいたい

風の中で君と語り合った時が甦る・・


時間がある夜・・・
誘われた集いも断って
僕はひとり,カウンターで飲んでいる.
この店でも,
滅多に頼む人がいないだろう,
ロングモーンを.

僕はこのモルトを飲んでいる時,いつも
蒼い空と強い風を思い浮かべる.
自らの心中は
深閑として・・・周囲のすべてが遠退く.

ロングモーンの蒼穹・・・
僕は,君と語り合った夢を仰いでいる.
強い風に飛ばされないように
カウンターの木のあたたかみを
時に掌で確かめながら.

君とは途轍もない夢を
風の中で語り合った.
今宵,僕はひとりで蒼穹から舞い下りた
夢のかけらでパズルをしている.