CARDHU
 

少しだけ,未来のことを
物語を書くように
想い描くひととき
ゆっくりと文字を綴るように
時の刻みを丁寧に
いつくしむひととき


日々の倦怠と日常に埋もれそうで,
なにか,身体にまとわりつく
疲れを緩めたいと思った.
そんな時,
バーのカウンターで
ひとりでウィスキーを飲むのは,
今の僕にしっくりくる時の過ごし方.

華やいだ香りのウィスキー
カードゥと知り合ったのは
一年前,花の美しい季節.
夏になる前までは,
よく飲んでいた.
誰にすすめられたわけではなく,
やわらかなカーブの美しい
ボトルのラインに惹かれた.
そのラインには
ほかのモルトのボトルにない,
ふわりとした
あたたかみを感じる.

ひとりで過ごす時に
辛く自らに問い掛ける
酒も好きだ.
けれども,
時にカードゥとともに
やわらかな情感を味わうのもいい.

花の香のつむじ風が
ふわりと身体を包み込む
目の前で風が
きらりと吹き込み,
ひとりで過ごす時間が
ゆっくりと輝きはじめる

少しだけ,未来の物語が
ひとつ
綺羅星のごとく
輝きはじめる