BLAIR ATHOL |
友と未来をも酌交すひととき 語り合いたい でも,言葉が声にならないこともある より理解し合いたい でも,決して淋しいからではない 自由であることを 確認していたのかもしれない 僕が一見, 今のように落ち着いた状態ではなかった頃, このバー・カウンターで 友とよく,モルトを酌交した. 友とは・・・ 彼とは遠い星を仰ぎ, この一瞬を静止し, 神聖な心持ちになった時, 僕の胸の中でだけ,再会することができる. バーテンダーは,あの頃となにも変わらない. 僕の胸の中の彼も, もう変わることは決してない. 僕だけは, 自由という翼に憧れて, 流離っている. そして,僕は,一見,落ち着いている様に見える状態と 内側の空虚感に揺れていて 流離う向かい風は 頬をあたためてはくれない. バーテンダーは,あの頃となにも変わらない. 友が僕の隣に座っていなくても, 僕に,一律の応対をしてくれる. 今夜,久しぶりに口にするモルト, ブレア・アソール. 若さを感じるモルトだ. 変わることと,変わらないことの狭間で, 胸の中に抱きしめている永遠の自由への想い入れの若さと, 変わらないでいたいということは, 僕に分かち難く付きまとい続けている. 今夜は, ブレア・アソールの若さが 隣の空席を埋めてくれるかもしれない. ブレア・アソール ハイランド・モルト.すがすがしい味わいと香り. ブレンデッドウイスキー・ベルの原酒. 蒸留所の背後にある山ベン・ヴラッキーの泉、 その仕込み水は美しいことで知られている. ゲール語で「新しいアイルランド」. |